こんにちは、株式会社オージーフーズの最年長青果担当の杉本(66歳)です。
果物の中でも人気のジャンルである柑橘類の種類について、国産柑橘も輸入柑橘も含めて、まとめて深~く解説いたします。
青果の道45年以上の私がこれまで見聞きしてきた柑橘類の豆知識をギュッと凝縮してお話しいたしますね。柑橘ファンの方にぜひ読んでいただきたいブログ記事です。
目次
国産の柑橘類の種類とは
主な国産の柑橘類の品種
- みかん
- いよかん
- デコポン(不知火)
- 清見
- せとか
- 甘平
- 紅まどんな
- タンカン
- 文旦
- 晩白柚
- キンカン
- 日向夏
- ポンカン
- 柚子
- スダチ
- シークワーサー
- 橙(だいだい)
- カボス
…等々が上げられます。
品種ごとにピックアップしてより詳しく解説している記事もございます。「この品種について知りたい!」という方はこちらの記事などが参考になると思いますよ。
国産の柑橘類の特長とは
国産の柑橘類の特長として、同じ品種の柑橘でも、季節や産地が異なると名前が変わる点に注目していただきたいです。
「どういうこと?」と思われますよね。詳しくお話しいたします。
日頃から青果市場にいると自然と覚えてくるのですが、非常に専門的で細かいお話しになるので少々イメージしずらいかもしれません。柑橘類がお好きなあなたに知っていただきたい、柑橘の豆知識としてご一読いただけたら幸いです。
季節ごとに品種名が変わる柑橘類の例とは
温州みかん
季節ごとに品種名が変わる柑橘と云えば、一番良い例が「みかん」です。
みかんと云えば秋から冬のイメージが強いのですが、実は品種名が変わりながら一年中市場に出回っている果物だと云えます。
みかん本来の呼び名は「温州みかん」です。このみかんは、季節に合わせて品種を変えて流通しています。年間ではこの様に変化して行きます。
- 春~夏:ハウスみかん(宮川早生種)
- 初夏:グリーンハウス
- 秋:極早生みかん
- 秋~冬:早生みかん(宮川早生種)
ちなみに、もっと細かい種別もありますよ。
冬の12月のみかんは「中性種(南柑20号)」と呼び、12月後半~1月のみかんは「晩性種・普通温州種」、年明け以降春先までのみかんを「晩性種・青島温州等」と呼びます。
このように、みかんの品種は一年中季節ごとに変わって行きます。
特にみかんについて詳しく知りたい方には、こちらのブログ記事もあわせて読んでみていただきたいです!
同じ品種でも産地が変わると名前が変わる品種とは
ニューサマーオレンジ
「日向夏」と「小夏」という名前の柑橘類は、実は、同じ品種であると云えます。ちなみに、正式品種名は「ニューサマーオレンジ」です。
同じ品種であっても、産地が変わるとそれぞれの名前で出荷される柑橘の種類です。「日向夏」は宮崎県を代表する柑橘ですが、これが高知県に行くと「小夏」と呼ばれ、静岡県や愛媛県では「ニューサマーオレンジ」として出荷されます。
この様なアイテムは他にもいくつかありますので却って分かりにくいかもしれませんね。
他県では使用できない名前の柑橘の種類とは
紅まどんな
他に、品種登録の関係で他県では使用できない名前の柑橘もあります。代表的なものは、愛媛県で開発され愛媛県だけで栽培されている「紅まどんな」と「甘平」です。
紅まどんなについてはこちらのブログでより深~く書いているのでぜひご覧ください。
海外から輸入される柑橘類の種類とは
さて、続いては主に海外から輸入されている柑橘類の種類についてお話しいたします。
中には極少数ですが日本国内で栽培されている品種もありますよ。しかし、本当に少ないので、輸入される割合が圧倒的に多いです。これから例に挙げるフルーツで、もし日本国内産のものを発見したら、それは希少品ということになりますね!
主な輸入柑橘類の品種
- グレープフルーツ
- オレンジ(バレンシア・ネーブル)
- ブラッドオレンジ
- レモン
- オロブロンコ(スィーティー)
- ポメロ
- メローゴールド
- ミネオラオレンジ
- マンダリンオレンジ
- ポンカン
…などが有ります。
輸入の柑橘類の特長とは
輸入柑橘の大きな特長としては、品種によって呼び名が変わったり、同じものでも扱う時期によって輸入元の国が変わる事が有ります。
時期によって輸入元の国が変わる柑橘類とは
グレープフルーツ
グレープフルーツは、輸入柑橘の代表的なものですが、扱う時期によって輸入元の国が変わってきます。
11月~4月はアメリカのフロリダ産、5月以降はアメリカのカリフォルニアやアリゾナ産が中心で、それ以外の輸入国としては中近東のイスラエルや南アフリカ等が数多く出回っています。
個人的な好みですが、この中で一番おいしいと思うのはやはり3月から4月頃のフロリダ産のグレープフルーツだと思います。
私も若い20代の頃(もう40年前です)、当時の青果販売員仲間たちと一緒にアメリカのフロリダ州にあるグレープフルーツの名産地を訪問したことがあります。
地平線までずーっと広がる畑は圧巻の光景でしたね。
時期によって品種が変わる輸入柑橘類とは?
オレンジ
又、オレンジもカリフォルニアが主産地ですが、時期によってオレンジの品種が変ります。
11月~4月は「ネーブルオレンジ」(へそ有り)生食向きで、5月~10月は「バレンシアオレンジ」(へそ無し)ジュース向き。
実際よく見ると外観がちょっと違うんです。こんどお店で見かけたら意識してみてくださいね。違いが面白いですよ。
ちなみに、オレンジジュースの豆知識をここでひとつ。アメリカ国内で飲まれているオレンジジュースの原料の主力産地は「ブラジル」ってご存知ですか?
同じ品種でも産地が違うと名前が変わる輸入柑橘類とは
スイーティー
又、最近人気の輸入柑橘で「スイーティー」と云う品種があります。これはイスラエル産のものを云いますが、同じ品種でもアメリカのカリフォルニア産になると「オロブロンコ」という品種名で輸入されています。
これらも、実は、元々は同じ品種の柑橘類なんです。
まとめ
日本国内には多数の柑橘類が存在します。
そして、海を越えた世界中でも様々な柑橘類が栽培されています。最近の輸入柑橘類はアメリカだけでなく、中近東やアフリカからも数多く輸入されていますね。
輸入柑橘類の良いところとしては、やはり「えっ、この時期にこれが食べられるの!」という驚きと感激が多いと思います。南半球と北半球では季節が正反対になりますので、日本が冬の間でも、夏のフルーツを楽しむことができるのです。
ぜひ産地名(国名)等も意識してみてください。一年中、国内だけでなく、海外の柑橘も楽しんで頂けると思います。
余談ですが・・・
柑橘王国と云われている愛媛県では約30種の柑橘を栽培していて、産地でも種類が多すぎて中々把握が難しいとも云われている位です。
私たちのように市場で数多くの柑橘類を見ている人間でも、全部は把握出来ないほど。
そのため、私たち青果チームのメンバーは足繁く現地へお伺いし、自分の目で見て、産地の方々から話を聞いて、日々勉強の連続です。
産地の方々とのコミュニケーションを大切にしていますよ。
今日もブログを最後まで読んでくださってありがとうございます。
これからも、みなさんが気になる果物や野菜の話題でブログを更新しますね。どうぞお楽しみに。
杉本
杉本
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