皆さんこんにちは。株式会社オージーフーズが運営するオンラインショップ「とっておきや」の最年長青果担当の杉本(67歳)です。
今回、熊本県と福岡県の生産者グループ・シトラス21中央さんが栽培している絶品みかん「太陽の雫」の産地を訪問してきました。その時の様子を詳しくレポートいたします!
目次
みかんの産地訪問といえば、先月の愛媛に続いての訪問になりました。
私は青果業界に45年以上身を置いています。おかげさまで日本全国各地の産地の皆さんとありがたいご縁が繋がりました。産地の皆さんの熱い想いや、こだわりなどを、このブログを通じて読者の方々にお伝え出来れば幸いです。
現地で写真や動画も撮ってきましたので、ぜひご覧になってくださいネ。
熊本県から福岡県にかけてみかんを栽培しているシトラス21中央さんとは
シトラス21中央さんがみかんを栽培している場所は、熊本県北部(玉名地区)から県境の福岡県南部(八女、山川、立花)にかけての産地です。
みかん栽培を行っている土地の総面積は120ha(ヘクタール:1haは100m×100m)という、超・広大な面積!!
120haってどれ位の面積かと云いますと…
例えば、皆さんよくご存知のあの東京ディズニーランドが約51haと云われています。ですから、なんとディズニーランド2~3個分にもなるのです!また、東京ドームは約4.7haですから、比較すると東京ドーム約25.5個分にもなります。
120haのみかん園地がどれほど広大か、だいたいイメージが付いたでしょうか。
それほどまでに広大なみかん園ですから、平均しても一人当たり約8ha(東京ドーム約1.7個分)の土地でみかんを栽培していることになります。
そのみかん園で主に栽培されているのが、極早生みかんから始まって太陽の雫、早生温州、普通温州までの品種を栽培しています。
所属している生産者さんは現在14軒15名で、生産者さんの平均年齢は40歳後半だそうで、みかん農家としては比較的若手の部類になります。
ちなみに、私が生産者の皆さんと知り合ったのが彼らがまだ30代半ばの頃でしたよ。懐かしいですね。
シトラス21中央さんが作る絶品みかん「太陽の雫」はもう弊社でここ15年近く販売させていただいております。いつもお世話になっております。
初めて産地を訪問した時から数えてもう10回近くはお伺いしておりますが、今回の産地訪問は2年ぶりになりました。皆さん、お久しぶりです。
特長的なみかん園づくり
私が約15年前位に、初めて、シトラス21中央さんの代表を務める高山代表のみかん園を訪問した時に、みかん園の仕組みに衝撃を受けた事を今でも思い出します。
高山代表の園地の特長はと云うと…
- 山の中(海抜300m以下)
- 水はけの良い土地に、太陽が良く当たる様に傾斜地を作った。
- みかんの樹を全て等間隔に植え、樹の高さも比較的低く、作業がし易い環境づくり。
- 小型のトラックが入れて、全てのみかんの樹に手入れが出来る様に、作業用の道が全てについている。
このような画期的なみかん園を、彼らはユンボやブルドーザー等を使い、全て自分達の手でこのみかん園を作ったそうです!
とことん整地されているみかん園です。
「うまい」みかんを作るこだわり
シトラス21中央さんとお話しをしていて感じるのは、彼らは「甘い」というより「うまい」というみかん作りを目指しています。
彼らはその「うまい」みかんを作るための栽培方法においてもこだわりを持っています。
例えば、肥料にもこだわりがあります。
畑は有機質肥料をすき込み、あけびや竹の子、ひじき、わかめ、海苔や魚粉から作ったオリジナルの肥料を使用しています。
そして、葉面散布なども行って直接栄養を与えています。
さらに、各園地ごとに百葉箱を置いて気象条件を観測し、栽培基準や生産者同士のデータを照らし合わせながら、生育状況や収穫時期の見極めをしているそうです。
だからこそ、広大な土地に園地が点在していても、同じ様に質の高いみかんを供給することが出来るのですね。
また、彼らは水ハケの良い土地を選んで園地作りをしていますが、園地を作る際に石ころ等を地面に混ぜる事でより一層水はけがよくなるのでより「うまい」みかんが出来ようになっているとも言っていました。
みかん作りに込められた努力と情熱に感動ですね!
池田さんのみかん園を訪問!
今回は生産者の池田さんのみかん園を見せて頂きました。
池田さんのみかん園は海抜の高い処に有り、この園地を自分たちの手で作り上げるのは大変な時間と手間が掛かかっているのだなあと改めて感じました。
又、このみかん園は昼と夜の寒暖差も大きく、陽も良く当たるので良いみかんが出来るはずだなあとも思いました。
収穫にはまだまだ早い時期ではありましたが、栽培されているみかん「太陽の雫」は少しずつですが色付き始めてきていました。
池田さんのみかん園の「太陽の雫」の何個かに「菊みかん」の現象が出ているのも有りました。これは今年の味が楽しみですね!
この「菊みかん」とは、外側の表皮がゴツゴツしているみかんのことを我々青果業界の人間は通称としてそう呼びます。
これは実は、中身が完熟して充実してくると現れる現象なんです。
こうなると皮はすこし剥きにくいのですが、味は抜群に最高です。美味しいみかんの選び方のコツと聞かれたら、「菊みかんを選ぶように」と説明します。
美味しいみかんの特長をもっと知りたい方は、下記の記事も読んでみてくださいネ。
池田さん、お忙しい中、お時間を頂きありがとうございます!
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
産地の様子を動画でご覧ください
今回の産地訪問で動画を撮影してきましたよ。
広大なみかん園の様子をぜひご覧ください!
みかん「太陽の雫」とは
みかん「太陽の雫」の特長は、強い甘味と程よい酸味が有り、味が濃厚で果汁が豊富な上に、じょうのう(実を包んでいる薄皮のこと)が薄いので、とても食べ易いみかんです。
「太陽の雫」は基本的には極早生みかんと早生みかんの中間といっていいかもしれません。どちらか云えば早生みかんに近い感じがします。
一般的に、みかんは出荷時期によって呼び名が代わります。
- 極早生みかん(ごくわせ)…9月から10月にかけて出荷される
- 早生温州みかん(わせうんしゅう)…11月から12月にかけて出荷される
- 普通温州みかん(ふつううんしゅう)…12月中旬以降から1月にかけて出荷される
その年にもよりますが、だいたい10月下旬~11月頃が太陽の雫の出荷時期のピークと云っても良いかもしれませんね。
また、「太陽の雫」は自分達で作った選果場で選果されてから出荷されます。特注品に関してはセンサーまで入れて糖度をチェックしています。
私達が扱う「太陽の雫」みかんはキチンと園地でも出荷場でもチェックして、糖度11度以上、酸度1.0度以下、着色8分以上を目安に出荷してもらうようにお願いしています。
2019年の「太陽の雫」の生育状況は!?
2019年は8月までは順調来ていたそうですが、8月の天候不順(台風や暴風雨、高温続き)があり、そこで多少生育が遅れてきたようです。
後は秋の天気次第ではありますが、収穫量はかなり減少気味との事なので、「太陽の雫」がより希少な存在になってくると思われます。
弊社が取り扱う「太陽の雫」は、みかんの中でも秀ランクの小玉系(S~Mサイズ)なので、味にかなり期待感があります。
収獲と出荷は10月中旬位から始まり、ピークは10月下旬ごろになる見込みと仰っていました。
今年も楽しみにしております!
皆さん、今年もみかんを沢山食べましょう!!
あとがき
今回のブログ記事では、熊本県から福岡県にかけてのシトラス21中央さんのみかん園訪問の様子をお伝えいたしました。
写真や動画を通して、みかん園の広大さを感じていただけたら何よりです!
これからも旬の青果物の話題、産地の様子など、青果ファンの皆さんが気になるテーマでブログを更新いたしますね。
また来てください。
それでは、最後まで読んでくださってありがとうございます!
今後ともとっておきやブログをどうぞよろしくお願いいたします。
杉本
杉本
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