みかんの名産地・愛媛県西宇和とは|杉さんの産地訪問レポート

皆さんこんにちは!株式会社オージーフーズが運営する「とっておきや」の最年長青果担当杉本(67歳)です。

みかんの一大ブランド産地である愛媛県の西宇和・八幡浜市を訪問しました。その時に私が撮影した写真とともに、産地訪問の様子を詳しくレポートいたしましょう!

みかんの名産地・愛媛県西宇和とは|杉さんの産地訪問レポート2019

この記事を読んでくださった読者の皆さんにも産地訪問気分を味わっていただけたらなにより嬉しいです。

愛媛県西宇和とは

みかん産地として有名な愛媛県西宇和とは、八幡浜市を中心に、三崎半島から伊方町、西予市の三瓶町(みかめ町)までの辺り、愛媛県の南端の方にある地域のことを云います。

平成17年頃に地域市町合併があり、その前の昔は「西宇和郡」と呼ばれていた地域ですよ。

上記の地図をご覧ください。宇和海・瀬戸内海・豊後水道に面した地域であることがお分かりいただけるかと思います。この環境こそがみかん作りに最適な土地と言える所以なのです!

JAにしうわさんとは

「西宇和農業協同組合」こと、JAにしうわさん

みかんの名産地・愛媛県西宇和とは_JAにしうわ建物

JAにしうわさんとは、愛媛県の八幡浜市をはじめとした西宇和郡にあった農業組合13ヶ所が統合して誕生した農業協同組合さんです。本所は愛媛県八幡浜市にあります。

JAにしうわ公式ウェブサイト:http://www.ja-nishiuwa.jp/

柑橘類がダントツに有名なJAさんです。

みかん、デコポン、伊予柑、等々…。それぞれの柑橘で高級品種を作り、世に送り出している名門、ブランドのJAさんですよ。

私がこれまで書いたブログ記事でも多々ご紹介しておりますので、あわせて読んでみてくださいネ。

愛媛県西宇和みかんの特長、産地、品種について青果部長が語る!
皆さんこんにちは!青果専門店「とっておきや」の最年長青果担当の杉本(66歳)です。 今日はみかんの中でもとくに注目していただきたい産地...
とっておきの袋かけ高級みかん「小太郎みかん」について語ります
「小太郎みかん」について詳しく特長、産地、誕生秘話をお話しいたします。みかん好きの方に知っていただきたい、とっておきの袋かけ高級みかんです。ひとつひとつ丁寧に「小太郎」印の袋でお包みして箱詰めする高級品です。ご贈答用にぴったりのこだわりみかんですよ。

JAにしうわ産S玉みかんの人気が急上昇中!

愛媛にしうわ小玉みかん

JAにしうわ産のみかんの中でも今一番と云っていいほど人気があるのがSサイズの小玉みかんです。

特に11月上旬から12月中旬位までに出荷される早生みかん(特に宮川早生種)のS玉は、全国の小売店や百貨店のバイヤーの皆さんが商談する際には「必ず欲しい!」と要望されるほど人気が高まっています。

又、最近ではその次に人気があると云われているのが、なんとS玉よりもう1廻り小さい2Sサイズとも云われています。

なぜJAにしうわ産の小玉みかんが人気になるのかというと、品種の特徴でもある、果肉を包んでいる薄皮(※じょうのうと云います)が非常に薄く、口に入れても皮残りがしないので非常に食べやすい点が評価されています。宮川早生種は元々外皮も薄く柔らかい為、皮も剥き易く食べ易いみかんです。

又、小玉系のみかんは比較的糖度も高く、みかんの酸味とマッチして濃厚な味わいをお楽しみ頂けます!

JAにしうわさんでは、みかん収穫後に光センサーで一粒一粒糖度や色付き形状などをチェックして箱詰します。小玉みかんは糖度だけでなく糖酸のバランスが良いので、総じて食味食感に優れています。

もし皆様の中で愛媛県JAにしうわ産の小玉の早生みかんをご存知ない方は、是非とも今シーズンは召し上がって見て下さいね。

JAにしうわさんのみかんが美味しい理由とは

みかんの名産地・愛媛県西宇和とは_JAにしうわみかん箱

JAにしうわさんのみかんがなぜ美味しいかと云うと、やはりなんといっても産地の栽培の歴史と環境に秘訣があると思います。

元々西宇和地区は長年のみかん作りの経験と栽培技術を持っている産地です。みかんで天皇賞を受賞している産地も有るほどの名産地ですよ。

一説によると、みかん栽培に於いて120年以上の歴史を持っているとも云われています。

栽培環境については、先人の方々の知恵の結集とも云われていますが、この土地だからこそ出来るみかん栽培があります。

海に面した海抜約300m近い山々に広がる石垣と、その石垣を積み上げた段々畑の土壌は水ハケが良く、昼間は太陽の光で石垣が温められ、夜には気温が冷える為石垣の温度が下がる事で昼夜の温度差があり、又、傾斜地のため太陽の光を直接たっぷりと浴びる事が出来ます。

宇和海に面しているため、海からの反射も浴びる事が出来るので、まさに西宇和みかんの栽培上の特長である「三つの太陽」が美味しさを生み出してくれます。

又、時にはマルチシートといって銀のシートを敷いてみかんの果実の下からも反射の光を与えて「四つの太陽」とも云う処もあるようですね。

幾つかの産地ではすべての園地にスプリンクラーが設置され、灌水も自在に出来るため、より美味しいみかんを作ることが出来ます!

参考までに、美味しいみかんの見分け方についてはブログ内の別記事でご紹介しておりますのでこちらも読んでみてくださいネ。

秋冬の人気果物「みかん」の特長、旬情報、雑学ネタを徹底解説!
秋冬の代表的な果物の中でもお馴染みの「みかん」の特長や旬について、みかん雑学をたっぷり盛り込んで青果のプロが詳しくお話しいたします。おいしいみかんの見分け方も解説しますね。この記事を読んでいただくと、今日からあなたもみかん博士になれるかも!

JAにしうわさんのみかんの共選場とは

みかんの名産地・愛媛県西宇和とは_伊方町共選場

JAにしうわさんには共同選果場(共同選果部会)が計10ヶ所あります。

その内、みかんが主力の選果場は8ヶ所あります。そして、中晩柑(サンフルーツ・デコポン・清見等の晩柑類)の専門選果場が2ヶ所あります。

今回の産地訪問では、みかんが中心の共同選果場のうち6ヶ所にご挨拶とお願いで回ってきました。

初日は先ずはJAにしうわの本所事務所へお伺いし、今シーズンも宜しくと役員さんにご挨拶の後、各選果場を訪ねました。

先ずは、伊方共選、次に真穴共選、初日最後に三瓶共選にそれぞれご挨拶をして、今年もとびきり美味しいS玉みかんをたくさん出荷して頂ける様にお願いしました。

JAにしうわの各共選所は基本的には八幡浜地区に有るのですが、伊方共選は伊方町と三瓶共選所は西予市に有ります。

翌日は、蜜る共選(旧保内)、次に川上共選、最後の本所そばの中央共選所の八協共選を訪問し、前日同様に美味しいS玉の出荷をお願いして来ました。

各共選場が作るブランドみかん

みかんの名産地・愛媛県西宇和とは_みつる共選

JAにしうわの各共選では、それぞれで特選企画のブランドみかんを作って販売をしています。

  • 伊方共選「媛の匠みかん」
  • 真穴共選「雛の里みかん」
  • 三瓶共選「雫るみかん」
  • みつる共選「蜜るみかん」
  • 川上共選「味ピカみかん」
  • 八協共選「媛美月みかん」

一例ですが、これらのみかんが今回廻った各共選のブランドみかんと呼ばれるものです。

それぞれの各共選が独自に工夫を凝らして、糖度や酸度などにこだわりを持って作り上げた商品です。少しお値段は高いですが、どのブランドでも良いので是非召し上がって頂きたいですね!

2019年の西宇和みかんの出来は?

みかんの名産地・愛媛県西宇和とは_風景

今のところ、夏場までの生育状況は雨や曇天の影響で決して良いと云える状況ではないようですが…、産地の皆さんの話によると「今後の雨の状況によって出来が決まるが、場合によってはマルチシートを掛けて対策するので大丈夫!」とのお話しでした。

産地の皆さんの気遣いと工夫があって、私たちは美味しいみかんを市場で見ることが出来ることに改めて感謝申し上げます。ありがとうございます。

今後の天候回復に期待ですね!!

あとがき

みかんの名産地・愛媛県西宇和とは_ゆるいお土産

今回の記事では愛媛県西宇和の産地訪問レポートをお伝えしました。

私はこの青果の道に入ってもう約40年以上になり、愛媛県の西宇和にはもう何度も何度もお伺いしています。

今回の産地訪問は、弊社の若手青果担当スタッフと一緒に愛媛へ向かいました。

毎年11月から12月に掛けて販売している「早生みかん(宮川早生みかん)」の企画の打合せのための出張です。この企画は、実はもう15年以上続いている人気企画で、現在では中々手に入りにくいJAにしうわ産S玉みかんに限定した企画です。

もしどこかでお目にかかることがありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。

それでは…

今回も最後までお読みいただきありがとうございます。

これからも四季折々の青果情報をブログでお伝えいたしますので、また遊びに来てください。

とっておきやトップページへ

The following two tabs change content below.
杉本

杉本

2003年入社。新潟県出身の66歳(2018年現在)です。学生時代から百貨店で青果販売に従事し、青果の道一筋に45年以上。市場で大野会長と知り合い、人柄に惚れてオージーフーズへ入社を決めました。好きなフルーツは柿とぶどうです。青果のことなら何でも聞いてください。趣味は産地訪問とスポーツ観戦です!