皆さんこんにちは。とっておきやの最年長担当の杉本(67歳)です。
今回は「梨」の中でもとくに「南水梨」について詳しくご紹介いたします。
南水梨の品種の特長、中でも美味しい「太鼓判」とは何ぞや、産地情報などなども含めて深~くお話しいたします。梨好きの方必見の情報満載です!!
目次
秋の定番果物として梨はとても人気がありますね。その中でも私は個人的に「美味い!」と思っているのがこの南水梨です。
梨とは
秋の果物としてなじみ深い「梨」ですが、梨は実は和梨、洋梨、中国梨の大きな3つの分類に分けられます。
- 和梨…赤梨(幸水、豊水等一般的によくみられる梨)、青梨(二十世紀梨等)等が含まれています。
- 洋梨…ラ・フランス、ル・レクチェ、シルバーベル等があります。特徴としては追熟してから食べる梨です。
- 中国梨…慈梨(ツーリー)鴨梨(ヤーリー)等があります。なかなか一般の店舗では見かけない珍しい梨です。形状は卵形や釣鐘形をして比較的大型な梨です。
代表的な梨の特長については別記事でより詳しく解説しています。あわせて読んでみてくださいネ。
南水梨とは
青果業界でも長い間お世話になっている私が色んな梨の中でお薦めする品種は、なんといっても南水梨(なんすいなし)ですね。
実は、私が以前都内の有る百貨店の青果売り場の仕入れなどを担当して時代にこの南水梨の美味しさに出会ってから、ず~っと販売し続けてきた梨でもあるんです。
南水梨のお味の特長
南水梨の特長は、なんといっても糖度が高いので甘味が強く、酸味が少なく果汁が豊な為非常にジューシーな食感を楽しめるところが魅力です!
糖度は高いもので14~15度にもなります 結構梨を色々食べて来ていますが、本当に美味しい梨としてお奨めします。
南水梨の見た目の特長
南水の果実は約350g前後で形は少し扁平な形をしています。果皮の色は赤梨らしい黄赤褐で、表面には蜜の果点が見られますが触った感じはざらつきは無く割とさらっとしています。
南水梨の誕生!
南水梨は長野県の農業試験場で誕生した赤梨です。
「越後」と「新水」の掛け合わせによって生まれた品種です。1990年(平成2年)に品種登録され、今年で約30年を迎えます。
旬の時期と栽培産地が限られている為、美味しいにも拘らずなかなか世間には知られていないのがとても残念です。
南水梨の旬の時期
南水梨の収穫期は比較的遅めで、9月中旬頃から収穫され出荷されます。
ピークは10月頃ですが、貯蔵性が有るので産地では冷蔵庫で貯蔵して年明けでも販売できるようにしています。
私も以前、年明けの1月に貯蔵モノの南水梨をTV通販で販売した経験が有りますよ。
南水梨の産地について
生産量一位は長野県
南水梨は長野県で開発誕生された事もあって、栽培量が一番多いのが長野県です。長野県産のものだけでも南水梨の約80%近いシェアーを持っています。
次が福島県(約5%)、秋田県(約4%)、大分県(約4%弱)、新潟県(約2.5%)…などなどが主な産地になっています。
長野県の中でも個人的にイチオシの産地はJAみなみ信州という農協さんです。
JAみなみ信州は長野県の南部の飯田市を中心に、近隣の1市3町10村から成る県内でも大きなJAのひとつです。総面積から云うと長野県の総面積の1/7を占める広さです!
※ちなみに、よく言われる「伊那地方」とはこの地域のことですよ。
主な青果物で云うと、ここで特に有名なのは干し柿の中でも人気の市田柿ですね。
また他にもリンゴ、梨、桃などでも有名な産地です。
元々昔から梨の栽培では有名な産地であり、二十世紀梨やサンセーキ(二十世紀の無袋栽培)、洋梨(バートレット、ラ・フランス)などが栽培されていました。
以前はどちらかと云うと青梨系で有名な産地でしたが、近年は赤梨の需要に伴って幸水梨等も栽培した結果、現在は南水梨では日本でも有数なブランド産地になっています。
南水梨の「太鼓判(たいこばん)」と「優糖生(ゆうとうせい)」とは
この「太鼓判」と「優糖生」とはJAみなみ信州が1996年から独自ブランド化した梨で、実際は等級を表します。
※等級とは色んな青果物にも用いられている言葉であり、一般的には「特秀」「秀」「優」「良」等の様に品質を表す指標になっています。
JAみなみ信州では梨以外にリンゴ、桃などにも同じ様に使用しています。
では「太鼓判」とは、どんな基準何でしょうか。
「太鼓判」はJAみなみ信州の果実の最上級の等級で糖度が一定基準以上、外観が良好なもの(キズや変形などが無いもの)を云います。
「優糖生」とは太鼓判に次ぐ等級で、糖度が太鼓判と同じ基準で、外観が若干悪いものを言います。
南水梨の太鼓判の基準は糖度が14度以上のものを云います。
これは1個1個選果場において光センサーでチェクして糖度、熟度が基準を満たしたものだけを選別し「太鼓判」シールを貼ります。
美味しい南水梨の選び方
南水梨は果汁が豊富な梨なので、持った時にしっかり重みを感じられ、形がふっくらとしたものがおすすめです。
又、果皮の色が適度に褐色になっていて出来るだけキズなどの無いものを選ぶようにしてください。
南水梨の美味しい食べ方
お奨めの切り方はくし形です。
梨は元々お尻側が甘い傾向にあるので縦に8等分にカットすれば甘味が均等になります。
南水梨の保存方法
早めに召し上がるのがお奨めですが、
ただし、食べきれない場合は、新聞紙などに包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室や冷暗所等で保存してください。
又、より長く保存したい場合は冷蔵保存がお奨めです。
南水梨は比較的日持ちがする梨の一つですが、気温の高い処などの置かないようにしてくださいネ。
あとがき
私は相変わらず毎日朝市場へ行っています。
そんな中で、2019年は初夏の風物詩になっている人気の果実の代表的な「さくらんぼ」や「桃」が大変なことになっていました。春からの天候不順や雹による被害などでかなり生産量が減少してしまいました…。
この時期は「さくらんぼ」や「桃」は果実の中で主力商品だけに、店舗販売、通販関係などでも大変な被害が出ています。
特に「桃」は販売期間が比較的長い事もあり、量的にも少なく大玉傾向の為、価格が異常に高騰していて大変な状態になっています。
そんな中でも、夏から秋にかけての果実の主力アイテムの「ブドウ」と「梨」の入荷量が日々増えてきています。夏から秋にかけてあの瑞々しい美味しさがとても食べや安く、甘味もあり果汁も豊富な梨は人気の果実の一つになっています。
梨は品種が多く何時旬を迎えるのかわかりにくい果実かも知れませんが、お奨めの南水梨は9月下旬頃から店頭に出てくると思います。
産地や「太鼓判」や「優糖生」等と細かなことは別として、まだ南水梨を召しあがった事が無い方には、今年はぜひとも一度は召し上がって頂きたいと思います!
多分一度召し上がって頂くと、必ずリピータになって頂ける事請け合いです。
是非食欲の秋を楽しんでくださいね。
それでは、今日も最後までブログ記事を読んでくださってありがとうございます。
これからも旬の果物の話題でブログを更新します。お楽しみに。。。
とっておきや
青果部長 杉本
杉本
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