皆さんこんにちは!
株式会社オージーフーズの最年長青果ブロガー(?)66歳の杉本です。
今日のテーマは、秋の人気フルーツ「ブドウ」の特長、注目の品種、私の個人的好みランキングなど詳しくお話しいたします。
産地や市場で撮ってきた写真や動画も掲載します。ブドウ好きのお客様にご一読いただきたいブログ記事です!よろしくお願いします!
今年のブドウを買いに行く前に読んでいただいて、店頭で選ぶ時の参考にぜひドウゾ。
目次
さて、私達青果担当者は殆ど毎日市場へ顔を出します。
最近市場での果実コーナーでは、夏果実の代表果実の桃と一緒にハウス栽培の高級ぶどうがちらほら見られています。
代表的な品種としては、「シャインマスカット」「マスカットオブアレキサンドリア」「ナガノパープル」「巨峰」等の価格のとても高い品種が日々入荷しています。高いものでなんと1房で数千円もしています。
私も実は指をくわえてみているだけの状態です。一口でも良いので早く食べてみたいと、見る度に思っています。
ブドウの時期っていつ?
国産のブドウは早くてハウス栽培物が4月位から市場に入荷が始まり、露地栽培物が終わるのが大体10月位ですから、実は結構長い期間販売される果実なんです。
ブドウ好きな方は既にご存知かもしれませんが、ブドウって国産物と輸入物を合わせると一年中楽しんで頂ける果実なんですよ。
冬~春にかけてオススメのブドウがある!?
ブドウって、実は2月から3月~4月に掛けての時期でも美味しいブドウを召し上がることが出来るんです。
それは、2月頃から春頃に、南米のチリから美味しい生のブドウが輸入されるんです。
チリは南半球に有るので、丁度、季節や気候が日本と正反対になります。日本の冬がチリの夏になるので、日本ではまだ寒い2月~4月頃にチリでブドウが収穫されるというわけです!
今となっては、チリはワインでも有名な国のひとつになっていますね。それもやはり、美味しいブドウが取れるからなんですね。
冬でも食べられる人気の輸入ブドウの話
では、チリ産のどんなブドウが有るかと云うと、有名なのは緑色の「トンプソンシードレス」と、黒色の「フレームシードレス」の2品種が有名です。
「シードレス」と云われるだけに「種無し」なので、皮ごとパクパクと召し上がれます。
実は、私がとある百貨店のフルーツ売場の店長をしていた時に、チリのブドウが日本で初めて解禁になり、大々的に販売して大好評を得た事が有りました。懐かしいですねぇ。
私のオススメはやはり「トンプソンシードレス」です。濃い緑色から少し飴色になった時が食べごろですよ。
他に輸入のブドウでは、カリフォルニア産の「レッドグローブ」という赤いブドウも人気です。大粒で歯ごたえも良く、種が無いので皮ごとパクパク食べられますね。
未だ未体験の方は、是非日本の冬に、チリのブドウを召し上がってみて下さい!
国産ブドウの色による区分けと品種
国産のブドウって何種類位あると思いますか?
正直言って、実はわからない位の品種が有ります。
大きくはブドウの色で分けると分かり易いかもしれません。色分けは3つです。緑系、黒系、赤系で分けられます。
緑系のブドウの品種
緑系のブドウはマスカット系が中心で、気品ある爽やかな味わいをお楽しみいただけます。
- マスカットオブアレキサンドリア
- ネオマスカット
- 瀬戸ジャイアンツ
- シャインマスカット
- ロザリオ
- レディースフィンガー
- ナイアガラ
- ピッテロビヤンコ
- バラディ
- 翠峰(すいほう)
黒系のブドウの品種
黒系のブドウは巨峰系が中心です。特に甘味と果汁が豊富なのが特長ですね。
- 巨峰
- ピオーネ
- ナガノパープル
- 藤稔
- べりーA
- 高尾
- キャンベルスアーリー
- アーリースチューベン
- デラウエアー
- キングデラ
赤系 (甲斐路等)
赤系のブドウの特長は、緑系と黒系の中間といった印象です。甘いものもあり、爽やかなものもあり、良いとこどりとも言えますね。
特にこの中でも「ルビーロマン」という品種は超高級ブドウの一つでもあり、今年は食べられるかなと楽しみにしています。
- 甲斐路
- オリンピア(ハチミツブドウ)
- 安芸クィーン
- 甲州ブドウ
- ルビーロマン(超高級品)
- リザマート
- マニュキアフィンガー
- 紅ピッテロ
- シナノスマイル
- ロザリオロッソ
…いかがでしょうか。お好みのブドウはありましたか?
いま私がパッと思い浮かぶそれぞれの代表的なブドウの品種がこれくらいです。
ブドウっておしゃれな名前が多いですよね。名前だけではなかなか覚えきれないので、色で分けるとわかりやすいと思いますよ。
最近のブドウの人気品種と傾向
実は、一時ブドウの消費が少し伸び悩んだ時期が有りました。
それは、「ブドウを食べると種や皮を出さなければいけない為、食べるのが面倒だ」と云うのが理由だったそうです。
その為、お客様のお困りごとを解消する為に、各地のブドウの生産者さん達がまず取り組んだのが、種無しのブドウの品種を増やすことでした。
昔は「種無しブドウと云えばデラウエアー」でしたが、現在では巨峰を含めほとんどのブドウが種無しになってきています。というよりは、種が有るとお客様に買って頂けない傾向になってきています。
今、私達青果担当者がブドウを販売するにあたってキーワードが4つあります。
- 「種無し」 ・・・ 食べ易さ
- 「大粒」 ・・・ 食べ応え
- 「高糖度」 ・・・ 甘味が強い
- 「皮ごと食べられる」・・食べ易さ 皮を出さなくて良い
この4つキーワードが揃えば、評価の高い、良いブドウだと思います。
種無しぶどうをテーマにもっと詳しくご紹介しているブログ記事もぜひご参照ください。
私がオススメする美味しいブドウランキングベスト3!
この様に色んなブドウが有る中で、私が特にオススメするブドウランキングをお伝えします。でも中々順位をつけるって難しいんですよ。実際は味の好みよっても大きく異なりますからね。
そこで今回は、私のオススメのブドウべストスリーの3品種をご紹介します!
それは、「シャインマスカット」・「ピオーネ」・「瀬戸ジャイアンツ」がトップ3です。
これらのオススメブドウも、先ほどご紹介した4つのキーワード「種無し」「大粒」「高糖度」「皮ごと食べられる」こと。この4つの特長を全て持ち合わせているのが「シャインマスカット」「瀬戸ジャイアンツ」です!
ちなみに、「ピオーネ」もお好みではありますが少し皮が渋いかなと思います。その分、黒系ブドウの特長でもある芳醇な甘味と果汁は抜群!ここがオススメポイントですね。
それでは、それぞれのブドウの特長をより詳しくご説明いたします。
正直、本当にランキングは決めがたいものです。他にも「藤稔」「ナガノパープル」「キングデラ」などなど、皆様に魅力をもっとお伝えしたいブドウがたくさんあります!その話はまた今度!
シャインマスカット
シャインマスカットの主な産地は、長野県、山梨県、岡山県、山形県、等々の全国16都道府県で栽培されていると云われる位、全国規模で栽培されている大人気のブドウです。
元々は、緑色高級ブドウの代表的な「マスカットオブアレキサンドリア」に変わって、高級ブドウの代表的品種としてここ数年で人気急上昇!
品種の元は、安芸津21号(スチュウベン×アレキサンドリア)×白南(カッタグルガン×甲斐路)との掛け合わせで、2006年に品種登録されたまだまだ新しい品種でもあります。
シャインマスカットの特長は、なんといっても人気の4つのキーワードが揃っているところでしょう!
「高糖度」「大粒、大房」「種無し」「皮ごと食べれる」それに敢えて加えると、「香りが良い(芳醇な香り)」も大きな特長です。青々しい果皮の色から、少し黄色味がかって来ると更に甘味と芳醇な香りが漂ってきます。
糖度は18度~20度位あると云われています。例えばメロンでだいたい糖度16度平均と云われているので、この数値は流石といった感じですね!
皮は少し厚めでハリがあり、それによって「パリッ」と云う食感が有って食べ応えも充分有ります。
まだまだ人気は伸びるでしょう。我々青果業界の中でも期待感の高い品種です。
シャインマスカットについてもっと知りたい方はこちらの記事もどうぞ!
瀬戸ジャイアンツ
こちらの「瀬戸ジャイアンツ」は、「シャインマスカット」と同様に4つのキーワードが揃っている緑色のブドウです。高級ブドウとしても有名な逸品ですね。
主な産地としては、岡山県、広島県、香川県等が上げられます。
「グザルカラ(果皮が黒紫色の欧州ブドウ)」と「ネオマスカット」を掛け合わせています。
特長の一つとして、粒の大きさに注目です。一粒当たり15~20g程で、さらに大きいもので一粒30g位の大きさにもなります!
一房が凡そ500g∼800gの大きさになる位大房でも有ります。
又、「粒の形が桃に似ている」ともいわれています。生産者が限定された処では「桃太郎ブドウ(岡山県桃太郎ブドウ生産組合の商標登録)」という名前でも販売されています。
味の特長としては、果肉は歯切れが良く、糖度が高く酸味は控えめで、皮がとても薄いのですが、パリッとした食感も味わえます。
完熟するとほんのり黄色みを帯びてきます。時には表面に茶色いシミが出る事が有りますが、これは熟度が上がっている印です。
皆さん百貨店などへ行かれる機会が有りましたら、化粧箱入りで1箱お幾ら位で販売されているか探してみて下さい。きっとびっくりしますよ!
ピオーネ
「ピオーネ」は「巨峰」とマスカットの一種「カノンホールマスカット」との掛け合わせで誕生した品種です。巨峰の甘さと、マスカットの芳香と両方の良いとこどりをしたブドウと云えます。黒色の大粒系です。
日本の静岡県で発見され、昭和48年に「ピオーネ」として品種登録されました。
現在の主な産地は、山梨県、岡山県、広島県、山形県等です。
ただし、ピオーネは皮ごとは食べられないとご案内しております。
それでも気にならない方は皮ごと召し上がってしまうようですね。ちなみに、弊社の中には皮ごとパクパクといくスタッフもいる位です。
もう一つ心に留めていただきたい点があります。このブドウは糖度が高く、種なしの為、脱粒し易い(お手元に届くまでに粒が取れてしまう可能性が高い)と云う点があるということです。
…等々、手はかかりますが、その分お味は抜群で、とても人気の品種です!
品種の特長からいって糖度も平均17度位あり、種なしのピオーネを「ニューピオーネ」として販売している処も有ります。
食べた後、渋みが口に残らなく程よい酸味も有って味の濃いブドウです。
山梨県のピオーネ畑訪問の様子を動画でお届け!
私が食べてみたいブドウランキングベスト3!
もうひとつのベストスリーをご紹介します。
私が今「自分の中で特に食べてみたいと思っているブドウ」の上位3品種です!
3つとも市場でも見かけにくい品種なので、中々店頭で見る機会が少ないと思いますが…。もし、出会ったときは勇気を出して購入して召し上がってみてください!
召上がった方は味の感想を是非お聞きしたいですね。(^_^)
ルビーロマン
「ルビーロマン」は石川県で開発された赤系の超高級ブドウです。
まだまだ世に出て時間がたっていないのでご存知ない方の方が多いと思いますが、今年の地元の金沢市場の初競りで1房なんと100万円もしたと云う恐ろしい程高級なブドウです。
是非、一度食べてみたいです。
藤稔「大峰」
「藤稔(ふじみのり)」は黒系の大粒の品種です。
親が「ピオーネ」と云う事も有り、黒系の特長である高い糖度が有りながら酸味とのバランスが良く、豊富な果汁を楽しめます。肉質は少し柔らかめで、程よく締まりも有る、外観も食味も良いブドウです。
山梨県のJAふえふきではこの「藤稔」の特選品を「大峰(たいほう)」というブランドで販売しています。
キングデラ
「キングデラ」は「レッドパール」と「マスカット・オブ・アレキサンドリア」の掛け合わせです。色で言うと黒茶でしょうか。
名前からして「キングサイズのデラウエア?」と思われてしまいがちですが、そうではないんですね!(笑)
甘さがとても強く(一説には平均糖度が20以上共云われています)爽やかな酸味も有りますが、特に甘味を強く感じるブドウです。
皮離れも良く、巨峰などから比べて若干小粒ですが、非常に食べ易いのが特長です。
栽培には手間が掛かり、そのままだと大房になってしまう為(大粒に成り過ぎるとキングデラの特徴が出ない為)、小まめに剪定(枝を揃える)したり、粒抜きをしたりと大変手間がかかっています。一枝から1~2房しか収穫できないと云われています。
希少性の高いブドウとして、私が百貨店時代に良く販売していたので思い入れもあるブドウです。
おまけの雑学話「大粒ブドウの作り方」
最後にもう一つ、ブドウ雑学をお伝えします。
最近は大粒のブドウが好まれていますが、実は、大粒で大房のブドウを作るのは大変な作業を要するんです。
我社の一番人気の「ピオーネ」を例にとってみますと、元々開花後はブドウ棚に1本に樹に約1,000房ほどの小さな房を付けます。
その後、棚の状況を見ながらより太陽を浴びやすい位置の房だけ約300房程残します。約7割を摘房(てきぼう:房を落とす)します。
その後1房に約30粒程付ける為、房の中奥に有る粒や小さな粒をブドウバサミ(ブドウ専用で先端が細くとがっているハサミ)で採ってしまいます。これを摘粒と云います。
その後、1房ずつ袋を掛けて大事に育てます。
ブドウの栽培については若手の大村君がブログでご紹介しています。ぜひ読んでみてください。
この様な作業を春から収穫直前まで行う事で、「大粒」「大房」のブドウが作れるんです。
もし、この間に天候不順が続いたりすると、産地の様相が一変することが多くあります。
私の様に青果物の販売をさせて頂いてる人間としては、それぞれの青果物の収穫時期や出荷時期になると、どうしても産地の天気が気に成ってしまうのは一種の職業病でしょうか?
7月中旬から9月位まではブドウに最盛期になりますので、是非いろんなブドウにチャレンジしてみて下さい!
このブログ記事が皆様が新しいフルーツにご興味をもっていただくきっかけになれば幸いです。
今日も青果専門店とっておきやブログをお読みいただきありがとうございます!
杉本
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