こんにちは!青果担当の田中です。
初夏のフルーツと言えば、真っ赤にキラキラと輝く高級フルーツ「さくらんぼ」ですね!
今回は、さくらんぼの中でも皆さまに一番馴染みのある「佐藤錦」について詳しくご紹介します。佐藤錦の特長、味、旬のこと、栽培方法、そして青果担当の先輩から聞いた豆知識も詳しくご紹介いたしますね。
ここだけの話もあるかも!?です(^^)/
私が山形県へ行った時の写真も添えてお話しいたします。
目次
さくらんぼ佐藤錦の特徴と味わい
日本のさくらんぼの代表的な品種が「佐藤錦」です。
「ナポレオン」と「黄玉」を交配して出来た品種で、さくらんぼの王様とも呼ばれています。
果皮は赤く、中の果肉の色は乳白色で、種が小さく可食部が多いのが特徴です。果肉は柔らかくジューシーで、糖度が高く甘味と酸味のバランスがちょうど良い、日本人好みの品種と言われています♪
一粒口に入れると、プリプリのさくらんぼが口の中で弾けて、さわやかな甘さとほのかな酸味、ジューシーな果汁が口いっぱいに広がります!
さくらんぼ佐藤錦の旬の時期は(温室栽培(ハウス)と露地栽培の違い)
佐藤錦が楽しめる期間はどれくらいだと思いますか?
さくらんぼの栽培方法は、ハウス(加温、無加温)、完全露地、露地栽培とあるそうで、それぞれ収穫時期が異なります。
ハウス(加温)ものだと既に出荷がスタートしています。市場でも赤くキラキラと輝くさくらんぼがチラホラ見受けられるようになりました。
この後、ハウス(無加温)→完全露地→露地栽培(雨よけ有)という順に出てきます。
ハウス物は、味は良いのですが、値段が高くて高級品!母の日に合わせてギフト用に出てきます。
完全露地は、雨除けがなく、吹き曝し状態になっていて、リスクが高い栽培方法の為、早もぎして出荷するらしく色が浅めで酸が少し残るそうです。
味・価格共にオススメなのは、6月20日頃~下旬位まで出回る露地物(雨除け有)です。
露地栽培なので、ハウス物よりもお手頃で、熟すまで木にならして収穫するため、佐藤錦を存分に味わう事ができます。ただ、ほんの一瞬2週間程しか出回らないので、この時期を逃さないようにして下さいね!
※一見ハウス栽培に見えますが、こちらが「雨よけつきの露地栽培」なんです。屋根だけで、横が空いているので露地栽培扱いだそうですよ。
さくらんぼ佐藤錦の産地
※娘と山形県のさくらんぼ園へ訪問した時の写真です。産地の皆様、いつもお世話になっております(*^-^*)
さくらんぼの産地で有名なところは、皆さまご存知「山形県」がダントツです。
初めは全国で試作されたようですが、山形県以外では、霜害や台風の被害などをうけほとんどの地域で失敗してしまったそうです。
山形県はそこまで影響を受けることなく、また、その後の栽培技術の構築により、さくらんぼ王国と呼ばれるまでに発展しました。
佐藤錦の名前の由来は生みの親にあった!
そんな山形県の東根市は今回ご紹介している「佐藤錦発祥の地」です。
佐藤栄助さんが味の良い「黄玉」と、日持ちの良い「ナポレオン」を掛け合わせて作られました。
「砂糖のように甘い」という事と「佐藤さんが作ったさくらんぼ」にちなんで「佐藤錦」という名前が付けられたそうです。
佐藤錦はなぜ高いの?
さくらんぼは、大人も子供も好きなフルーツですよね。
私も大好物なフルーツで、ついつい手が止まらなくなってしまい、1パックがあっという間に空っぽに!ただ、高級フルーツなのでなかなか頻繁には食べられません…。
では、なぜ佐藤錦が高価なのか?
調べてみると、それは手間暇のかかる栽培方法や栽培できる地域が限られているため、収穫量が少ないところにあるようです。
さくらんぼ栽培の手間とは?
さくらんぼは手間をかける程、色良く、甘い果実に育つそうです。
ただ、気候風土に恵まれているだけでは、美味しいさくらんぼは出来ないんですね。
冬には枝が折れないように「雪おろし」をしたり、早く芽が出るよう「雪かき」をしたり、良い枝だけを残すよう不要な枝の剪定もします。
また、つぼみが開花する5月上旬頃には、冷えて花芽がつかなくならないように、霜を溶かすファンを回したりもします。
受粉にはミツバチ、マメコバチを飛ばします。
ただ、ハチは気温が低いと動き回らないので、その場合には人の手で人工受粉をするんだそうです。気の遠くなる話ですよね!
想像以上の重労働!なさくらんぼの栽培と収穫について
※青果部長の杉さんが産地を訪問した時に撮影した動画です。より大きな実を実らせるための摘果という作業をしているところでした。
さくらんぼは同じ種類同士では実をつけないって知っていましたか?
その為、「佐藤錦」の木の周りには、違う品種の「ナポレオン」や「紅秀峰」などの木が植わっているそうです。違う品種同士で受粉させるという事は、開花のタイミングが合う合わないのリスクがあります。
開花がずれる=受粉しない=実がつかないという結果に繋がり、その年の収穫量に大きく影響するという訳です。
このような農家の方の努力があって、さくらんぼの木に実がぎっしり実ります。
沢山実をつけるとその分、収穫量が増える訳ですが、そこは味や実を優先にして摘果を行います。まだ緑色の実のうちから農家の方の勘でどんどん獲っていき・・・地面は緑色に!
これも美味しいさくらんぼを作る重要な作業なんです。
そしていよいよ収穫間近!
ここからは天気との闘いです。収穫時期はちょうど梅雨…。
さくらんぼに雨は大敵なんです!
さくらんぼは皮が薄くデリケートなので、せっかく実をつけても、成熟間際に雨にあたると実が割れてしまうのです。
それを防ぐために雨よけのハウスを設営し、雨から実を守り、さらに!!色付けを良くするために、木の下に銀色シートを貼るそうです。
この銀色のシートは、陽の反射を利用して、色づきを良くする為だそうです。
このような数々の努力のお陰で、キラキラと光り輝く宝石のようなきれいなさくらんぼが出来上がるんですね。
ちなみに、果実の収穫も一つ一つ丁寧に手作業で行います。
木の上の方の実は背の高い大きな脚立に乗って収穫しなくてはいけません。
また収穫は、気温の低い早朝から始まります。気温が上がってくると実がやわらかくなり品質が落ちてしまうからです。
収穫後は生産者ごとにでパック詰め→箱詰め→その日のうちに出荷となります。
手元に届くまでに、農家の方の努力がこんなにもあるなんて!
出荷時期が短い上に、とっても手間が掛かるので高級フルーツとされるのも納得です!
青果スタッフがレクチャー!さくらんぼの選び方
さくらんぼの選び方をお教えします。
まずは、やはり見た目の色です!
しっかりと紅く色づいているもの、さらにツヤがあって新鮮なものを選びましょう!
さくらんぼは、追熟をしないので食べごろで収穫されます。黄色が多いものはやめた方が良いです。また茶色く傷みのあるものも避けましょう。
つぎに、さくらんぼの軸も確認しましょう!
軸とは、さくらんぼの実についている細い枝の部分の所です。軸が鮮やかな緑の物が鮮度の証です。
鮮度が落ちると茶色くなってくるのでそこも選び方のポイントで覚えておくと良いと思います。
さくらんぼ豆知識「種の大きさ」
ところで皆さんはさくらんぼの種って、実の大小に関わらず種はほとんど同じ大きさって知っていましたか?
なので、店頭で購入する時は、大きい実を選ぶと、小さい実よりも可食部が多いのでよりさくらんぼを堪能出来るという事です。
さらに、小粒の物より大粒の物の方が高価とされています。
購入の際には、是非 大きいものを選んで下さいね!
百貨店などで綺麗に手詰めされた高級なものから、スーパーでパックにバラ詰めされた買いやすい価格帯のものまで、いろいろなランクの物があります。
ご予算に合わせてさくらんぼを楽しんでください。
さくらんぼ関連記事
そんな高級フルーツのさくらんぼですが、種類はどんなのがあるの?いつ頃から出回るの?など疑問に思う事もチラホラ。
そんな時は、青果の先輩・青木のブログ記事をご覧ください!(^^♪
田中
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