とっておきの袋かけ高級みかん「小太郎みかん」について語ります

皆さんこんにちは。最年長青果担当の杉本です。

みかん好きの方に知っていただきたい、とっておきの袋かけ高級みかん「小太郎みかんについて詳しく特長、産地、誕生秘話をお話しいたします。

ひとつひとつ丁寧に「小太郎」印の袋でお包みして箱詰めする高級品です。ご贈答用にぴったりのこだわりみかんですよ。

とっておきの袋かけ高級みかん「小太郎みかん」について語ります

実はこの「小太郎みかん」は、私が若い頃(今から約30年くらい前ですが…)、商品の開発について少しだけお手伝いをした経緯が有るのです。たいへん思い入れの有るみかんです。

高級みかん「小太郎みかん」とは

とっておきの袋かけ高級みかん「小太郎みかん」について語ります_特長とは

「越冬有袋完熟みかん『小太郎』」とは、みかん業界において代表的な高級こだわりみかんです。

一般的に、みかんはだいたい糖度11~12度位あれば美味しいと云われていますが、この小太郎みかんは高いものではなんと糖度15度にもなるものもあります!

ひとつひとつ丁寧に専用の「小太郎」印の紙に包まれて化粧箱にきっちり詰められている様子はまるで高級な和菓子のようですよ。

小太郎みかんの品種の特長とは

とっておきの袋かけ高級みかん「小太郎みかん」について語ります_品種の特長とは

元々の品種は美味しさが評判の宮川早生種です。

この品種は糖度が高く、程よい酸味もあり、ジューシーさが人気の品種です。外皮も柔らかく、何よりも身を包んでいる薄皮が薄く、皮残りがしないので非常に食べやすいと喜ばれます。※この薄皮は「じょうのう」と呼ばれます。

またこの宮川早生種は、大玉系より小玉系の方が特徴が出て美味しいと云われていますね。

中でもあえて小粒の外なりのみかんを厳選して小太郎みかんとして育てています。

小太郎みかんの栽培方法の特長とは

とっておきの袋かけ高級みかん「小太郎みかん」_栽培方法の特長

なんといっても、丁寧にひとつひとつ袋をかけられ、樹に成った状態で年越しし完熟させる栽培方法が特長です。

秋の時期、宮川早生種のみかんの果実が少しずつ色づく頃に、まず樹の外側に成っている小粒のみかん1個ずつに紙製の袋を掛けておきます。樹の外側に成り、太陽の光をたっぷり浴びて旨味を蓄えていた小粒のみかんたちですね。

大切に袋をかけられて年越しを迎えます。霜や雪、鳥の害を防いで、時間をかけて完熟させるのです。樹上でじっくり完熟したことにより、甘味と酸味のバランスが良くなり、薄皮もより柔らかくなり、殆ど皮を感じ無い位柔らかくなります。

そしてそのまま樹上で年を越して完熟さた後、1月上旬頃から収穫されます。

収獲の時には袋ごと収穫し、選果場にて袋を取り、良いものだけを厳選して改めて「小太郎」印の袋に詰め替え直して化粧箱に詰めて出荷されます。

一般的に、宮川早生みかんは11月上旬から12月上旬が収穫の時期ですから、小太郎みかんの栽培には更に時間がかかっていることが分かりますね。

ただし、最近では、1個ずつの袋かけに大変手間が掛かる為、小さな枝ごとの枝全体を袋で覆ってしまう方法も出てきているようですよ。

小太郎みかんの名前の由来とは

とっておきの袋かけ高級みかん「小太郎みかん」について語ります_名前の由来は

あえて宮川早生種の小玉のSサイズ中心に限定しているため「小太郎みかん」と命名されました。

ちなみに、川上共選での最高ランクのみかんに付けられる称号は「味ピカ」と名付けられています。「味ピカ」は味はピカイチから来ています。ですから小太郎みかんは「越冬有袋完熟味ピカ小太郎」とも云われています。

最近では他のみかんの産地でも越冬有袋完熟みかんを作り出している産地が増えてきていますが、越冬有袋完熟みかんの元祖はJAにしうわ川上共選の小太郎みかんです。

小太郎みかんの産地とは

とっておきの袋かけ高級みかん「小太郎みかん」について語ります_産地

小太郎みかんの産地は愛媛県JAにしうわ川上地区です。

川上地区は愛媛県八幡浜市に有ります。

みかんの産地としてはJAにしうわ管内でも川上共選、日の丸共選、真穴共選の3つは「御三家」とも呼ばれ、高級みかんの産地としてとても有名です。

みかん栽培で100年以上の歴史があり、みかん栽培で天皇賞を受賞したこともある日本のみかんを代表するブランド産地ですね。

小太郎みかんが高級希少な理由

とっておきの袋かけ高級みかん「小太郎みかん」について語ります_高級な理由

小太郎みかんが高級で希少だと云える理由は、やはりなんといってもその美味しさと市場評価が高いことが挙げられます。そして、小太郎みかんは栽培にひとしおの手間がかかっているため、お値段がグンと高くなることは必然と云えるでしょう。

小太郎みかんの故郷であるJAにしうわの御三家は市場評価が高く、高級果実を取り扱う店舗や企業が好んで販売している産地です。

小太郎みかんは世に出てからどんどん評価を高め、お値段もどんどん高級になりました。今ではもう引く手数多で、なかなか手に入らない貴重な存在です。

美味しいみかんが育つ秘訣「3つの太陽

とっておきの袋かけ高級みかん「小太郎みかん」について語ります_3つの太陽

小太郎みかんをはじめ、多くのみかんを栽培しているこの地域は、宇和海の海岸に面した海抜約300mほどの段々畑にみかん畑が点在しています。

この地区の大きな特長は3つの太陽と表現されています。

  • 空から降り注ぐの太陽
  • 海からの反射光
  • 石垣の段々畑への太陽の照り返しによる温暖効果

この「3つの太陽」による効果が、この地区のみかんの評価を高めています。

小太郎みかんのの時期とは

みかんが一番おいしい時期での取り扱いですから、冬と言えど年内の出荷は無く、1月以降に出荷が始まり、2月中旬位には終わってしまいます。

短期間でしか扱えない限定商品です。

そんな状況ですから買いたい方が多くいらっしゃいますが、余程運が良くないと手に入りにくい代表的な商品に成ってしまいました。

小太郎みかんの思い出

とっておきの袋かけ高級みかん「小太郎みかん」について語ります_思い出

この小太郎みかんがデビューした時、私、杉本は某百貨店内にあるフルーツショップの店長を任されていました。あれからもう小太郎みかんの販売には20年以上携わっています。

小太郎みかんが誕生したきっかけ(?)とも云える思い出話なのですが、実はこの小粒みかんというのは産地の方々が自宅で食べる用にしていたそうなんです。そんな折、西宇和の川上の農協の方から「贈答品にも使ってもらえるような高級みかんを作りたい」と相談を受けました。

それを聞いた私は「自分たちが食べている美味しいみかんを商品化してみたら…」と話を伝え、その後ついに誕生した商品がこの「小太郎みかん」でした。

もともと高級なみかんでしたが、今ではどんどん評判が広まって、更に高級になったと感じています。なかなか売っている機会にお目にかかれませんので、もしどこかで見つけたら「買い!」ですよ。

あとがき

  • 小太郎みかんとは愛媛県川上共選で作られる高級みかん!
  • 樹上に成った状態でひとつひとつ袋掛けして年を越すから、じっくり完熟して食味食感がより優れたものに!
  • ひとつひとつ「味ピカ小太郎」の袋に包まれて化粧箱に箱詰めされる高級品!

とっておきのみかん「小太郎」についてお話しいたしました。

みかん好きの方にこの「小太郎」を知っていただくきっかけになったら何より嬉しいです。また、もし販売されているのを見かけたらチャンスですよ!

今回もブログを最後まで読んでくださってありがとうございます。

これからも、旬の果物の話題、知る人ぞ知る果物の話題でブログを更新しますね。どうぞお楽しみに。

杉本

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杉本

杉本

2003年入社。新潟県出身の66歳(2018年現在)です。学生時代から百貨店で青果販売に従事し、青果の道一筋に45年以上。市場で大野会長と知り合い、人柄に惚れてオージーフーズへ入社を決めました。好きなフルーツは柿とぶどうです。青果のことなら何でも聞いてください。趣味は産地訪問とスポーツ観戦です!

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