白桃とは。白桃の特長、産地、旬、人気の品種を青果部長が語る!

皆さんこんにちは。株式会社オージーフーズの青果担当最年長の杉本(67歳)です。

今回のブログのテーマは白桃です。夏の人気フルーツですね。

白桃の特長、人気の品種、産地情報など深~くお話しいたしましょう。白桃の産地の写真もたくさん掲載しますね。私が産地訪問した時に撮ってきた写真です。ご覧くださいませ。

白桃とは。白桃の特長、産地、旬、人気の品種を青果部長が語る!

白桃の特長

白桃とは、一言で云うと「果肉が白色系の桃」のことです。

白桃の特長は大きさで云うとやや大きめのサイズ感です。果肉自体は最初はやや硬めですが、熟度が上がると食感が良くなり、実が大きめであるため食べ応えも有ります。

果汁も豊富、ジューシーで甘味が強く、比較的日持ちも良い点も白桃の特長です!

また、白桃は外皮が赤系と白系の品種が存在します。

それぞれの品種の特長もご紹介いたしましょう。

赤色系の外皮をもつ白桃

白桃とは_外皮が赤色系の白桃

赤系の外皮をもつ代表的な白桃としては浅間白桃」「川中島白桃」「一宮白桃」「なつっこなど。新しい品種としてさくら白桃等も評判ですね。

外皮が赤系の白桃類は、比較的お求めやすい価格帯のものからご贈答向けの取り扱いをする位の高級品まで、幅広い扱いの商品になっています。

白色系の外皮をもつ白桃

白桃とは_外皮が白色系の白桃

外皮が白色系の白桃として代表的な品種は、岡山県産の清水白桃岡山白桃」「おかやま夢白桃等が特に有名ですね。

見た目から高級感が漂う真っ白な外皮であり、果肉も蕩ける食感、芳醇な香りと果汁を持つ高価な桃です。栽培も非常に手間が掛かる逸品です。主に高級果実専門店や百貨店、通信販売等で販売されています。

白桃の旬の時期はいつ

白桃とは_夏の青空と白桃

白桃の旬の時期のピークはだいたいの産地で7月下旬位~8月下旬、ものによっては9月上旬位まででしょうか。

白桃の中でも、とくに晩生種と云われる品種は9月下旬~10月上旬位まで出荷されるものもあります。

桃の出荷時期と品種の関係

白桃とは_箱詰めされた桃

桃と云えば夏のイメージがありますよね。実は、ハウス栽培の桃は5月中旬位から一部のお店で販売されはじめます。

桃は品種も数多く有り、出荷時期によって品種も変わります。それぞれ見た目、食味、食感、糖度、硬さ、果汁感などが異なりますので、シーズン通してその変化を楽しんで頂くことが出来ますよ。だいたい4ヶ月くらいでしょうか。

  • 5月中旬~6月中旬頃…ハウス桃。主に「日川白鳳」「白鳳」
  • 6月中旬~7月中旬頃…早生桃。「ちよひめ」「日川白鳳」
  • 7月上旬~8月上旬頃…中生桃。「本白鳳」「加納岩白桃」「なつっこ」
  • 7月下旬~8月頃…晩生種。「浅間」「川中島白桃」「あかつき」等の白桃類
  • 9月以降…「伊達白桃」「西王母(せいおうぼ)」「幸茜(さちあかね)」

例年はこのような流れで、様々な産地の様々な桃が出荷されます。

時期や品種の区分けについては特に決められているわけではありませんので、あくまで参考までに…。私たち青果担当者は市場に並ぶ桃の品種で時期を感じたりしますね。

白桃の主な産地とは

白桃とは_たくさん実った桃の木

白桃の生産量ベスト6の県と主な品種

  • 1位 山梨県…「浅間白桃」「川中島白桃」「一宮白桃」「なつっこ」
  • 2位 福島県…「あかつき」「ゆうぞら」「川中島白桃」「だてか白桃」
  • 3位 長野県…「川中島白桃」「なつっこ」
  • 4位 和歌山県…「清水白桃」「川中島白桃」
  • 5位 山形県…「川中島白桃」「ゆうぞら」「さくら白桃」「西王母」
  • 6位 岡山県…「清水白桃」「岡山夢白桃」

白桃の主な産地と品種はだいたいこのような感じです。どの県も「桃の名産地」と云えば連想される所ばかりですね。

とくに山梨県は産地訪問した時のことをブログ記事に書いておりますので、こちらもぜひ読んでみてください。産地で私が撮影してきた動画もありますよ。

https://www.seika.aussie-fan.co.jp/blog/post-1395/

桃の栽培について

白桃とは_杉さん産地訪問

桃の木は皆さんご存知の様に3月下旬~4月頃に開花します。

樹木の大きさや栽培環境にもよりますが、まずはじめに凡そ20000位花を付けるそうですよ。この花すべてが桃の果実になるわけではなく、「摘花」という余分な花を摘む作業を経て、「摘蕾」という余分な蕾を摘む作業を行います。

それからも摘果作業を繰り返し余分と思える実を摘み、その結果約4%~5%程を結実させます。最終的に、だいたい500~1000個位の桃の果実が実るというわけです。

美味しく大きな桃を栽培するために必要な摘果作業

白桃とは_若桃の実

この摘果の作業がとても気を遣うものです。

摘果の際に枝に残す実の数は、長果枝は一枝で1~2個位、中短果枝は一枝で約1個位しか実を付けないようにします。

さらに園地で行われる除草作業も、除草剤に頼らず、丁寧に手作業で除草する生産者さんが多くいらっしゃいます。

こうした作業を行わないと桃の実が大きく成りません。とても大変な作業ですが、美味しく大きな桃を作るためにも産地の皆さんが頑張ってくださっています!本当にありがたいです!!

袋かけと地面の銀シート

白桃とは_袋かけ

摘果作業の後、病害虫等を防ぐために桃の実一個一個に袋掛けの作業を行います。

桃の収獲の目安は「開花から凡そ100日」と云われていますので、収穫の約1週間前くらいに袋を取ります。

また、ここでも面白い栽培の知恵があります。

袋かけした桃の実の下、園地の地面に銀シート敷いて、太陽の光を反射させて桃に当てるんですよ。上の写真でも地面に白っぽい銀シートが敷かれているのが分かりますか?

直接の太陽光と下からのシートの反射光で赤く色を付けます。

ちなみに、最近は福島県の「あかつき」の様に無袋栽培で桃を栽培している産地も多くなってきています。

※無袋栽培とは…袋をかけずそのまま太陽光をたっぷり浴びさせて栽培する方法。

桃の栽培は天候の影響が大!!

桃の木の様子を見る部長

桃の栽培は天候の影響が非常に大きく、特に春の開花から夏の収穫までの間の天候によってはその年の作柄が大きく変わってしまう事が多くあります。

※作柄とは…出来具合のことを云います。量のことを云いますよ。作柄が良い=収穫量が多い。「作況」と云う人もいます。

気温が高すぎたり、低温が続いたり、その期間の雨量だけで大玉傾向、小玉傾向等の桃の大きさに大きく影響したりします。

美味しい桃の基準について

桃の選果の特長

桃は昔からよく「当たりハズレのある果実」と云われていますが、現在はどの県でもどのJAでも、桃を出荷する際は光センサーを通して糖度や熟度、色づき、形、見栄え等を検査して等階級を決めて出荷します。

※個人農家さんからの出荷は各々の農家さんの基準で出荷されます。

桃の選別の特長

また、よく桃が販売されている時に等階級という言葉を目にしませんか。この等階級は箱や値札に印字されていることが多く、一目で桃の評価が分かる印になっています。

等級とは、品格を表すものです。

桃の等階級でよく使われるよくみる等級表示は「特秀」「秀」「優」「良」「無」の5段階が一般的です。たまに「赤秀」「青秀」「黒秀」「緑秀」等と表示する処もあります。

階級とは、大きさを表すものです。

青果業界特有かもしれませんが、大きさを示す場合に「一箱何kgあたりの玉数」で大きさを示す場合もあるんです。例えば、「5kg箱の13玉入り」など。

大きい順から云うと「13玉」「15玉」「16玉」「18玉」「20玉」「22玉」「25玉」等と表示され、「○玉箱の桃」と呼ばれて市場などで流通しています。

※ただし、みかんなど果物の種類によってはS玉~L玉などの表記が使われる場合もありますよ。

美味しい桃の選び方

私がお客様によく聞かれる美味しい桃の選び方のコツをご紹介いたします。もし皆さんが店頭で桃を選んで購入する機会がありましたら、次の4つの事を意識して選んでみて下さいネ。

  • 形…ふっくらときれいな丸みがあるもの。
  • 色…全体的に紅く色づいているもの。
  • 皮…皮の色が濃い方が甘味があり、色の濃い部分に白い点々が出ていて、全体に果皮にうぶ毛があるもの。
  • 香…香りが強いもの。

この4つの条件を満たしている桃を選ぶことが出来たら、きっと美味しい桃に出会う事が出来ると思います。覚えておいて損は有りませんよ。

より詳しく美味しい桃の選び方について知りたい方はこちらの記事も読んでみてください。より深~く語りました!!

https://www.seika.aussie-fan.co.jp/blog/post-1243/

また、美味しい桃の食べ方を知りたい方はこちらの記事をドウゾ!

https://www.seika.aussie-fan.co.jp/blog/post-527/

青果部長おすすめの白桃2品種!!

山形県産桃「大糖領」

桃_大糖領桃

桃の収穫量全国第一位を誇る名産地の山梨県。その山梨県産の桃の中でもとっておきの逸品が、この「大糖領」です!

当て字で「だいとうりょう」と読むのもユニークで良いですね。

品種の特長としては、光センサーを通して糖度12度以上の甘さがある桃だけがこの「大糖領」の名前を名乗ることが出来るのです。贈答品にもピッタリです。白桃好きの方にぜひ一度お召し上がりいただきたいですね。

☆贈答向けの化粧箱入り☆

山形県産桃「大糖領」約2kg(6玉前後)(化粧箱)【送料込】

https://totteokiya.com/?pid=143319184

☆ご自宅向けの大箱入り☆

山形県産桃「大糖領」約5kg(18~22玉前後)【送料込】

https://totteokiya.com/?pid=143319654

大紅蟠桃

大紅蟠桃_面白い形の珍しい桃

「大紅蟠桃」とは、この見た目がまずインパクトがある珍しい桃です!

ユニークな形でビックリするかもしれませんが、中身はとってもジューシーで、濃厚な味わいをご堪能いただけます。桃の原種に近い品種とされ、日本でも生産者が限られています。

詳しくはこちらの別記事でもご紹介しております。超貴重な大紅蟠桃の栽培途中の様子も産地で見てきましたよ!

大紅蟠桃という面白い形をした珍しい桃について青果部長が語る!
珍しいもも「大紅蟠桃(タイコウバントウ)」ってご存知ですか!?不思議な形にビックリすること間違いなしです。ぺったんこで、真ん中がくぼんでいて。産地で撮ってきた写真つきでご紹介します。なんでも、孫悟空が食べて不老不死になったストーリーがある伝説の桃なんだとか…!?

注文ページはこちらです。

福島産 大紅蟠桃 約1.8kg(11~18玉) 【送料込】

https://totteokiya.com/?pid=143198703

「水蜜桃」ってご存知ですか?

水蜜桃

「水蜜桃」とは美味しい桃の総称です!

今ではあまり使われる事も無くなりましたが、昔は桃の品種が今ほど多くない事もあって、販売時に品種名を前面に打ち出して販売することが少なかったようですね。ですから、美味しく甘みの強い桃の総称として「水蜜桃」という呼称が使われていたようです。

この言葉を知っている方は桃好きのツウの方ということになりますね!

あとがき

桃の品種は数多く、最近でも品種の更新が行われています。

そんな中でも特に人気が有る品種と云われているのが「白鳳」「白桃」「黄金桃(黄色系)」ではないでしょうか。今回のブログでは「白桃」をテーマに様々なポイントをご紹介いたしました。

桃は非常にデリケートな果物です。

産地の皆さんの努力、品種改良や栽培環境の変化、選果機の導入等によって、美味しい桃が多く出荷される様に成ってきました。

それでも、作業は一部機械が導入されていますが、まだまだ生産者の皆さんが手作業で行っている部分が多いです。だからこそ日本の夏を代表する果実と云えるのではないかと思っています。

皆さんも桃を召し上がる時に、少しでも農家さんの大変さを理解して頂けたら嬉しいです。

これからも、とっておきの美味しい桃をご案内して行きますのでどうぞ宜しくお願いします!

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杉本

杉本

2003年入社。新潟県出身の66歳(2018年現在)です。学生時代から百貨店で青果販売に従事し、青果の道一筋に45年以上。市場で大野会長と知り合い、人柄に惚れてオージーフーズへ入社を決めました。好きなフルーツは柿とぶどうです。青果のことなら何でも聞いてください。趣味は産地訪問とスポーツ観戦です!

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