黄金色に輝く沖縄県のパイン「ゴールドバレル」の特長をご紹介!

皆さん、こんにちは。最年長青果担当の杉本(66歳)です。

今日はとっておきのパイナップル「ゴールドバレルパインについて詳しくご紹介いたします。産地の方に直接お伺いしたお話しも交えてご紹介いたしますので、とっておきの珍しい高級パイナップルを知りたい方にぜひ読んでいただきたいです!

黄金色に輝く沖縄県のパイン「ゴールドバレル」の特長をご紹介!

皆様は「1本だけでもお値段が数千円もするパイン」って想像できますか?

なんと、特にきれいな化粧箱に飾られているものだと、大きいもので1本1箱10,000円前後で販売されているパインも有るんだとか!!

もともと一般的なパインよりは大きめの品種なんですが、だいたい1本3,000円以上は当たり前で販売されています。5,000円前後で販売されているのがまあ普通といった感じでしょうか。驚異的ですね。

それこそが、評価が高く(お値段も高い)パインゴルードバレルです。

沖縄県の推奨品種に登録されたパイナップル!

沖縄のとっておきのパイナップル「ゴールドバレル」とは_形状

この「ゴールドバレル」というパイナップルは、沖縄県の推奨品種として登録されています。

正式な品種名は「ゴールドバレル(沖縄8号)と云う名で、平成21年2月6日に登録されています。

育成者は沖縄県農業研究センター名護支所となっています。登録されてから約10年が経過しようとしていますが、青果業界の中ではまだまだ新しい品種の為、ご存知の無い方が圧倒的だと思います。

ゴールドバレルパインの産地とはどこ?

沖縄のとっておきのパイナップル「ゴールドバレル」とは_売り場で発見

ゴールドバレルパインの産地は沖縄県です。

今のところ、沖縄県の中でもごく一部の地域でしか栽培されていないようです。通常のパインも栽培されている酸性土壌の北部八重山地区の中のほんの一部だけがゴールドバレルパインの産地だと云われています。

酸性土壌の北部とは…一般的に「山原(やんばる)」と呼ばれている地域で、名護から北部にかけての辺りです。

八重山地区とは…石垣島、西表島などです。

ゴールドバレルパインを実食させていただきました!スタッフの味の感想は?

沖縄のとっておきのパイナップル「ゴールドバレル」とは_箱

実は、今回ありがたいことに、と有る生産者団体の代表の方からこの希少な「ゴールドバレルパイン」を送って頂きました。送って下さったのは、沖縄県の国頭郡本部町(くにがみぐんもとぶちょう)生産者グループ代表の比嘉社長様からでした。

比嘉社長様、美味しいパインを本当にありがとうございます!!

1回目:シーズン初め5月のゴールドバレルパインの食味

実際に食べてみた1回目はパイナップルシーズン初めの5月の頃でした。

比嘉社長様からはゴールドバレルパインといえばジューシーで濃厚な甘さが特長とのことで、この時期のものはまだ熟度が足りないかも?と云われていました。

スタッフ一同で口にしてみたところ、少し酸味が感じられ、糖度は15度ちょっとほどでした。さすがと云いますか、この時期のものでも食感はとても良く、美味しいパインでした。爽やかな味わいがお好みの方に喜ばれるのではないでしょうか。

ご馳走様です!

2回目:熟度が上がるシーズン終盤6月中旬のゴールドバレルの食味

沖縄のとっておきのパイナップル「ゴールドバレル」とは_試食してみました

そして今回、6月中旬に届いたものはパインのシーズンとしては終盤に掛かっていて、かなり熟度が上がっていたものでした。

箱から出すときには、完熟したパイン特有のあま~い香りがあたり一面にたち、色もかなり黄色が濃いものでした。スタッフ一同ワクワク見守る中、早速1本だけカットして試食させて頂きました。

カットした途端に果汁が滴り、果肉に触れた手先がベタベタになってしまうほどのジューシーさに感激です!!

中の実は蜜状が広がり、見るからに美味しそうな濃い黄色をしていました。

口に入れたとたん、今まで食べたことの無い様な甘さ!

なんと糖度が19.5度もあり、酸味が全くなく、パイン特有の刺す様なエグミも無く、本当に美味しいパインを頂く事が出来ました。

沖縄のとっておきのパイナップル「ゴールドバレル」とは_糖度計で計ってみました

※事務所にある糖度計はこんな感じの機器です。上部の黒い部分に果汁をつけると糖度を測定します。青果担当者の必需品ですね。

甘さ、食味、食感、ジューシー感、食べ応えなど全てにおいて完璧と云える程のパインだと思いました。これはお値段が張るのも納得です。

ご馳走様です!!

ちなみに、パイナップルを食べる時のおすすめの切り方はこちらの記事を参考にどうぞ!動画もあるのでとても分かりやすい記事です。青果スタッフの田中が書きました。

パイナップルの切り方おすすめ5つを青果担当が詳しく解説します!
こんにちは!青果担当の田中です。 今回はパイナップルの切り方でおすすめの方法を5つご紹介します。 簡単に出来る「基本の切り方」か...

ゴールドバレルパインは「酸味がなくとにかくジューシーな甘味が全面に出るパイン」と感じました

沖縄のとっておきのパイナップル「ゴールドバレル」とは_ジューシーな果肉

試食したスタッフ一同「甘い」「甘~い!」と感激していて、このゴールドバレルパインの特長は比嘉社長様が仰っていた通り「非常に強い甘味」だと実感しました。

パイナップルにはそれぞれの品種に個性、特長があります。

例えば、今でも弊社で販売している人気パイン「石垣島の當銘敏秀さんの『ティダパイン』」も抜群に美味しく評価の高い品種です。

「ティダパイン」の特長は甘味と酸味のバランスが良い点が人気の秘訣です。甘味と酸味がお互い引き立てあう爽やかな美味はまさに夏のご馳走と云えます!

それに対し、今回試食させていただいた「ゴールドバレルパイン」の特長は酸味を殆ど感じないので、甘味を強く感じました。とにかく甘くて美味しいので、果汁溢れるジューシーなフルーツが好きな方にオススメです!

他にもパイナップルの品種は様々です。

青果の道40年の私がこれまで見て来たパイナップルについてご紹介した記事もございますので、併せてお読みいただくともっとパイナップルという果物について深く知っていただけると思います。

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ちなみに、今年も當銘さんのティダパイン畑を訪問してきた時のレポート記事もございますよ。

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ジューシーな甘味を実現したのは手塩にかけて育てた生産者様の努力の賜物

こんなにも甘くジューシーな食味に驚き、生産者様にストレートに質問しました!どうしてこんなに甘いパイナップルが出来たんですか?

それは聞いてびっくりで、栽培上において大変な苦労の末出来上がったパインだからだと知りました。

際立つ大きさを実現させた栽培

沖縄のとっておきのパイナップル「ゴールドバレル」とは_成ってるパイン

通常、沖縄県産パインの代表的な品種の「ボゴール種」や「ピーチ種」等は比較的中玉から小玉傾向と云われています。ですが、この「ゴールドバレル種」は多品種と比べて際立って大きさが目立つのが特長の一つになっています。

パインはどの品種も、苗植え後、中心部分に1本だけ実をつけて大きくします。

中でもこのゴールドバレルはその大きさゆえ、沖縄特有の強風や台風の時などに果茎が倒れてしまうリスクが一段と高くなってしまうのです。

その大きい果実を守る為に、大きくなるゴールドバレルの果実に合わせて支柱などを一部立てたりして支えるよう細心の注意を払って栽培していると仰っていました。

ハウス栽培でも露地栽培でも大きさを支えるのは大変!

沖縄のとっておきのパイナップル「ゴールドバレル」とは_ハウス栽培

「無加温ハウス栽培」ではハウス内で栽培するので風による影響は比較的少ないのですが、それでも果実が大きくなると樹自体を支えるのも一苦労だそうです。

これが「露地栽培」になると、モロに風の影響を受けてしまうので、その大変さは他の品種では想像できないほどでしょう…。

又、パインは2年目から収穫が出来ると云われていますが、「ゴールドバレル」の露地栽培物は2年目ないし3年目になってようやく収穫出来ることが多いそうです。なので、その2年~3年もの間、大きいパインが倒れないように心配りを尽くす生産者様の努力は計り知れないものです。

今、敢えて露地栽培という言葉を使いましたが、「ゴールドバレル」を栽培している他の県内の生産地では「無加温ハウス栽培」と「露地栽培」を併用している処も有ります。

「無加温ハウス栽培」では一般的には5月位から7月初め位まで出荷し、その後は凡そ7月いっぱい位「露地栽培」もので出荷します。

無加温ハウス栽培とは

沖縄のとっておきのパイナップル「ゴールドバレル」とは_無加温ハウス施設

一般的に「ハウス栽培」と云えば、ビニールハウス内で重油を焚いて室内の温度を上げ、温度管理と水分管理を人工的に行う栽培方法です。

出荷時期を露地物より早めたり、丸っきり季節を逆にして出荷したりと活用されています。

「無加温ハウス栽培」ビニールハウス内で栽培しますが、重油などで温度管理をせずにハウス内で栽培することを云います。風や寒波などから商品を防いで、露地もより少し早めの出荷が出来る様にしています。

特に沖縄県などの温暖地では通常の「ハウス栽培」だと、逆に高温障害になってしまう為に「無加温ハウス栽培」を選ぶという事情があるそうです。

主なハウス栽培商品
ハウスサクランボ・ハウス桃(母の日向け用など)、ハウスみかん、宮崎県産金柑たまたまEX・完熟マンゴー「太陽のタマゴ」、早出し苺、ハウスデコポン…などが有ります。
主な無加温ハウス栽培商品
沖縄県産マンゴー、パインなどが有ります。
※沖縄県は元々亜熱帯気候で気温が高い為、あえてこの「無加湿ハウス栽培」が採用される場合が有ります。

今回ご紹介いただいた国頭郡本部町の生産者様の「ゴールドバレルパイン」の栽培方法について教えていただきました

今回ご紹介頂いた国頭郡本部町の農業生産法人㈱のもとぷらす様では、今の処は施設を使用した無加温ハウス栽培で「ゴールドバレルパイン」を育てているそうです。

その為、通常2年以上かけて栽培収穫している「ゴールドバレル」を凡そ1年半位で大きくさせ、熟度も上げ美味しくさせて出荷していると仰っていました。

来年以降は「無加温ハウス栽培」だけでなく、「露地栽培」も増やしていくそうです。

現在県内の「かりゆし市場」「田空の駅ハーソ公園」等で生果中心と冷蔵加工品、冷凍加工品などを少し販売しているようですが、圧倒的に生果が人気が有るそうです。

一度購入するとほとんどの方がリピーターになっているそうですよ。又、そのほとんどの方が自分の分と贈答用にも注文されるんだとか。「大切な方に味わっていただきたいとっておきのパイナップル」と云うことですね!

大きさの特長

沖縄のとっておきのパイナップル「ゴールドバレル」とは_大きさも特長!

何と云っても「ゴールドバレル」の特長のひとつは、他の品種ではあまり見られない位の大きさです。

例えば、弊社で販売している沖縄県石垣島産パイン各種の大きさで云いますと、「ボゴールパイン(通称:むきむきパイン)」が1本平均で800g~1kg弱、これでもこの品種で比較的大きい方です。他に「ティダパイン」で1本約1kg~1.2kg位が中心になっています。

ところが、今回実物を送っていただいたゴールドバレルパインを見て、その大きさに改めてビックリ!なんと一番大きいもので1本で約2kgサイズの物が何本かあり、一番小さなものでも約1.5kgの大きさでした。これで小ぶり?と思ってしまうほどです。

さすがに2kg以上のパインは重~い。重量感いっぱいです!!!

ゴールドバレルは芯まで召し上がっていただけますので「可食部分(食べられる部分)」が多いのも嬉しいポイントです。そうそう、試食の時にスタッフが芯を食べて「芯の食感がサクサクしていて美味しい」と喜んでいました(笑)

お腹いっぱい食べられて、糖度も18度も19度もあり、大満足の云う事なしのパインですね!お見事ですね!

ゴールドバレルの糖度は糖度センサーでしっかりチェック!

沖縄のとっておきのパイナップル「ゴールドバレル」とは_糖度抜群!

この「ゴールドバレル」の産地として、沖縄県の山原(やんばる)地区の東村(ひがしそん)が有名です。ここではなんと「ゴールドバレルパイン」を糖度センサーでチェックし、糖度と酸度の数値を元にランク付けを行っているそうです。

「通販向け」「ギフト向け」「デパート向け」「量販店向け」「加工向け(ドライフルーツ・冷凍・缶詰等・他の加工原料)」等それぞれに向けた対応をしています。

パインを糖度センサーでチェックするなんて、最初に聞いた時に天と地がひっくり返る位の驚きでした。こんな努力が有るからこそ、誰もが美味しいと認めるパイン「ゴールドバレルパイン」が評価されるのがよ~~く分かりまわした。

皆さんも、もしどこかでこの「ゴールドバレルパイン」と出会う事があったら、価格は少し高めですが躊躇わず一度召し上がって見てください。ビックリすること間違いなしですよ。

今日も青果ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

杉本

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杉本

杉本

2003年入社。新潟県出身の66歳(2018年現在)です。学生時代から百貨店で青果販売に従事し、青果の道一筋に45年以上。市場で大野会長と知り合い、人柄に惚れてオージーフーズへ入社を決めました。好きなフルーツは柿とぶどうです。青果のことなら何でも聞いてください。趣味は産地訪問とスポーツ観戦です!

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