山形県サクランボ名産地訪問記~青果部長杉さんの道中記~

皆さんこんにちは。

オージーフーズの青果担当最年長の杉本です。

今日のブログは山形県サクランボ名産地訪問記です。私がもう何度も訪れている山形県にあるサクランボ農園サクランボにまつわる名所を訪ねた時のことをお話しいたします。

道中で撮影した写真もたくさん掲載しますので、皆様に山形旅気分を味わっていただけたら幸いです。

山形県サクランボ名産地訪問記~青果部長杉さんの道中記~

私は青果の仕事に約45年以上携わっております。お陰様で日本全国各地の果物や野菜の産地を廻らせて頂いております。

その中でも圧倒的に何度も訪問している産地が、山形県、愛媛県ですね。次が熊本県、宮崎県でしょうか。中でも特に山形県はもう何十回もお邪魔していますし、特にサクランボの産地には毎年と云って良いほど訪問しています。

全国各地の生産者様方、いつもありがとうございます!

農作物がとても豊かな山形県

山形県サクランボ産地訪問記_ゆるキャラ「チェリン」発見!

山形県寒河江市のゆるキャラ「チェリン」を発見!サクランボの妖精だそうです。

山形県は大きくは4地域に分けられます。それぞれの地域では特徴有る果物、野菜が栽培生産されていますよ。

  • 日本海岸沿いの庄内地域(酒田、鶴岡、庄内等)
  • 内陸地区の最上地域(新庄、最上、真室川)
  • 村山地域(山形市、天童、寒河江、東根、村山等)
  • 置賜地域(米沢、高畠、南陽、長井等)

庄内地域では、枝豆(だだ茶豆)、庄内柿、メロン等。

最上地域は茸が有名です。

村山地域はエリアが結構広いので沢山農産物が有り、「さくらんぼ」を中心に西瓜、ラフランス、ブドウ類、プラム、桃、リンゴ、里芋などが有ります。

置賜地域はラフランス、ブドウ、リンゴなどが代表的な農産物です。

他には全県でお米が有名で、お馴染みの銘柄もたくさんありますよ。「はえぬき」「どまんなか」「つや姫」最新では「雪若丸」なんていうのも銘柄出てきています。

山形県はサクランボの生産量が圧倒的!

山形のサクランボは県内全16有るJAが全部ではないにしろほとんどの地域で栽培しています。中には出荷はしないけど、自家用で栽培している農家さんもいらっしゃるほどです。

山形県のサクランボの生産量は圧倒的にナンバー1で、なんと76%も有ります。

2位の北海道は7.5%.、3位は山梨で6.3%ですから、山形県の生産量は桁違いと云えますね。

山形県のサクランボは小さな恋人

昔から山形県ではサクランボは「小さな恋人」のキャッチコピーで全国展開をしています。

もう何十年も使っているので青果業界ではかなり浸透していますし、皆様も店頭やテレビなどで一度は目にしているのではないでしょうか。

山形県のサクランボ三大産地

サクランボの生産量では圧倒的に村山地区の東根寒河江天童が三大産地です。

山形と云えどもサクランボと云えば、この3つの産地の名前が必ずと言って良いほど出てきます。

この三大産地も元々同じ地域の小さなJAが合併して今に至っていますが、特にJAさがえ西村山は1市4町村が広域合併して出来上がったJAで、この地域では各市町村にそれぞれ市長が1名、町長が4名いますが、JAでは組合長が1名なんです。

初めて山形県を訪れた日の思い出

私が初めて山形県を訪問したのは、もう40年位前になります。

まだまだ私も若かった20代後半でした。その頃は未だ新幹線や飛行機も無いので、特急や電車を乗り継いで結構な長旅になった事を覚えています。

山形県でサクランボデラウエア(種無しぶどう)の産地を視察しました。

米沢から入って⇒南陽⇒上山⇒山形⇒天童⇒神町⇒東根(若木)⇒河北⇒寒河江のコースで、とても今では考えられない位のハードな日程でした。多分もう体力がついていかないかもしれないですねぇ?(笑)

山形県へ向かう新幹線の車窓からの風景

最近では新幹線で東京から山形市内までは約3時間位、終点の新庄までは約4時間位でいける様になりました。

6月の中旬位の新幹線で山形へ向かうと、赤湯温泉を過ぎる位から新幹線の車窓からサクランボが色づいているのが直ぐ側で見る事が出来ます。

村山くらいまで続くサクランボの雨よけ栽培

山形県サクランボ産地訪問記_雨よけテント栽培

こちらの写真が「雨よけテント栽培(通称雨除け栽培)」されているサクランボの樹々です。樹の高さより高く雨よけのビニールが被覆され、横はネットで鳥の侵入を防ぐ様な対策が講じられているのが分かります。

この景色は村山市くらいまでは続くでしょうか。特に天童、東根辺りは沿線沿いに園地が多くあるので見ていても楽しいです。

ひときわ「サクランボの地」をアピールする駅名とは!

山形県サクランボ産地訪問記_さくらんぼひがしね駅前の像

なんとさくらんぼひがしね駅という名前の駅があります!

それは「佐藤錦」の発祥の地として有名な東根(ひがしね)にある駅です。駅前にはサクランボ日本一の町を伝える像があるほど、サクランボの有名産地です。

この像になっている佐藤栄助さんという方がサクランボ佐藤錦の生みの親の方です。昭和3年に世に出た佐藤錦の長い歴史を感じますね。

又、この地域では雹街道(ひょうかいどう)と云う言葉もあるそうです。毎年決まった道の様に雹が降って行く地域が有ると云われています。

もっとあります名産地らしい名前の交通施設!

山形県内には他にもより山形県らしい名前でアピールしている交通施設があります。それが、おいしい庄内空港おいしい山形空港です。

県の西側・庄内にある空港名が「おいしい庄内空港」。

県の東側・村山地区(東根市神町に有り)にある空港が「おいしい山形空港」。

それぞれ農作物豊かな山形県らしい呼称が付いて居て、正にサクランボ畑ラフランス畑のど真ん中に有ります。羽田空港からは45分位のフライトで到着しますよ。

最近は地方の空港に呼称が付くのが目立ちますよね。

例えば、「高知空港」「米子空港」「徳島空港」等が有ります。どんな呼称が付いているかご存知ですか?

高知空港は「高知龍馬空港」、徳島空港は「徳島阿波おどり空港」、米子空港は「米子鬼太郎空港」と呼ばれています。他にもまだまだあると思いますが、各県で地元をアピールする方法の一つなんでしょうね。

私がよく訪問するサクランボ園

私が最近よくお訪ねする産地は主に「寒河江」「天童」です。大体、毎年6月上旬から中旬に掛けて訪問しています。

もちろん「サクランボ」のその年の状況を確認の為ですが、秋から冬にかけて販売する「ラ・フランス」や「サンフジ」等の商談も併せて行っています。

天童へ行く時は、JAてんどうの乱川生産組合の滝口部会長さんの園地にお邪魔します。

滝口部会長さんは地元でも有名な生産者で、いつもニコニコして「好きなだけ取って食べて行けよ」と云っていただくのですが、未だ早い時期に行くので2~3粒だけ頂くようにしています。

山形県サクランボ産地訪問記_会長と一緒に

滝口部会長さん、いつも本当にありがとうございます!

また天童へお伺いする際はどうぞよろしくお願いいたします!

山形県でサクランボを買うおすすめの場所

山形県サクランボ産地訪問記_JAひがしねの「よってけポポラ」

私がサクランボを買うのにおすすめしたいのは、やはり各JAの直営のお店ですね。

例えば、JAてんどうの「フルーツセンター」、JAひがしねの「よってけポポラ」、JAさがえ西村山の「アグリランド」「チェリーランド」でしょうか。

皆様も山形県を訪れた際はJA直営店巡りも楽しいですよ!

サクランボは一年の中でも旬が短い希少なフルーツの代表です。せっかくの機会ですから、思い切って贅沢して、とっておきの旬の味を召し上がってください。

個人的に美味しいサクランボの見分け方

山形県サクランボ産地訪問記_地元販売用のサクランボ

美味しいサクランボの見分け方は、サクランボはどの品種でもほぼ同じですがやはり玉張りが良く、着色が良くうるみの無いものを選ぶのがコツですね。うるみとは、表皮が柔らかくなってしまう状況のことを云います。

簡単に云うと、サクランボの玉にハリがあって、赤い色で、皮がしっかりしているのが良いです!これらは鮮度が良い証でもあります。

ちなみに、サクランボの価格は色廻りと大きさ、玉張りで決まります。それくらい重要なポイントなんですよ。

今度、店頭でサクランボを買う時は気にしてみてくださいね。

サクランボ狩りのマナーについて

サクランボの樹から実を収穫する際には、サクランボの軸を少しだけ持ち上げて、上に少し引き上げる様な形で収穫してください。

なぜなら、そうすることで来年の花芽を残すことが出来るからです。

これはサクランボ狩りのマナーとしてお心にとめていただけると幸いです。

もし、軸を引っ張って収穫してしまうと、翌年の花芽ごと取れてしまうなんて悲劇が起きます。私たち青果担当者も産地訪問の際に、生産者さんからくれぐれも気を付けるようにと説明を受けます。

花芽がないとサクランボが実りませんから、サクランボを守るためにも気を付けましょう。

山形県を訪れる際によく泊まるホテル

寒河江へ行く時に宿泊するホテルが駅前の「サンチェリー」という、これもサクランボの名前が付いたホテルです。

6月中旬になると朝食のバイキングにはサクランボが食べ放題!

お餅も「ずんだ」「納豆」「きな粉」の3種類が大皿いっぱいに出てきます。

私たち青果スタッフが山形出張の際に毎回お世話になっているおすすめのホテルです。今年も朝食バイキングがあると良いなぁと思います!(笑)

寒河江市にあるおすすめ新名所!

山形県サクランボ産地訪問記_寒河江の新名所「GEA」

また、サクランボ名産地の寒河江市に新しく出来たおすすめの新名所をご紹介します。

「GEA」というお土産屋さんです。店内の奥にレストランカフェがあります。すごくオシャレな佇まいですよね!

店主は世界的に有名な糸を操るスペシャリストの方です。この方が作る繊維がイタリアの有名ブランドで採用されました。オバマ大統領夫人が大統領就任式で着用した事で、更に有名になった方です。

山形の寒河江市に本社の繊維工場があり、その工場の横にオープンした店舗がこの「GEA」です。ここに工場もあるんですよ。

私自身が彼と知り合いで、新店舗が出来たと聞いてさっそく行ってきた次第です!

山形県では蕎麦文化も盛んですね

山形県サクランボ産地訪問記_村山で食べた肉そば

出張時に食べた肉そばです。手前にあるのは青木君が注文したカツ丼かな?

山形県は蕎麦文化も盛んと云われていますね。

村山地域は特に蕎麦が美味しかったです。河北町「肉そば(鳥出汁)」は有名で、他には板蕎麦(蕎麦を板の上に並べてある)「げそ天」も有名です。

又、蕎麦街道と呼ばれている位お蕎麦屋さんがたくさん並んでいる地区もあります。

山形県の内陸地はお蕎麦以外にも、お米、牛肉(米沢牛、山形牛)ラーメン、餅、山菜、里芋(芋煮会)、リンゴ、ラフランス、桃、ブドウなどなど美味しいものがたくさんあります。

6月頃に「サクランボ」狩りを予定している方は、是非他に美味しいものも沢山ありますから山形グルメを楽しんで下さい!

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ここ最近の市場でのサクランボの動き

気温の上昇と共に、ここ最近の市場では果物の入荷状況に少しずつ変化が出ています。

市場では全体的にハウス栽培(ハウス内で重油を焚いて栽培している)の商品が増えてきていますね。その中でも特に目立つのがハウス栽培のサクランボです。品種は「佐藤錦」から「紅秀峰」「高砂」等が入荷されてきています。

ハウス栽培の「さくらんぼ」の産地は山形県が中心ですが、最近では長野県産も少しずつ増えてきていますね。

今のところ市場価格では、500gの化粧箱で1万円近い価格で販売しています。つい1粒当たり幾らになるだろうなんて考えます。

百貨店ではこの間500g1箱12,000円で売っているのを見かけて驚きました!

あとがき

以上、私が山形県を訪れた時のレポートでした。

もっともっと書きたいことはまだまだあります。今後行く時には、ブログに載せる用の写真も撮るようにしますね!お楽しみに。

山形県では多種多様なサクランボが栽培されています。

定番人気の「佐藤錦」や「紅秀峰」の他に、昔の歌謡曲に有る「黄色いサクランボ」の「月山錦」というとても希少な品種もあるんですよ!生産者さんにはしばらくお世話になっているので、またお伺いする時にはブログに掲載して良いか聞いてみます。

オージーフーズが運営する青果専門店とっておきやでは、日本全国各地の選りすぐりのとっておきの青果物を取り扱っております。

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杉本

杉本

2003年入社。新潟県出身の66歳(2018年現在)です。学生時代から百貨店で青果販売に従事し、青果の道一筋に45年以上。市場で大野会長と知り合い、人柄に惚れてオージーフーズへ入社を決めました。好きなフルーツは柿とぶどうです。青果のことなら何でも聞いてください。趣味は産地訪問とスポーツ観戦です!